第1回・怒気!漢だらけのお料理教室

〜ちょっとだけ前置き〜

僕の知り合いのMEN会長はですね、

現在調理師専門学校に通ってるんですよ。

なので料理について色々と知識・技術が備わってる人なんですね。


という訳で



『夜食に作るチャーハンで何かコツは無いですか?』



と相談した所、色々と教えてくれたんですけど、

聞くだけではなく直接見て貰った方が早いんじゃないかなと思って、

一度会長の家にチャーハン修行をしに行ったことがあるんですよ。


という訳で、現役調理師学校生の指導の元、

単に夜食の味をちょっと向上させたいだけの大学生がひたすらチャーハンを作り始めました。


(以後、青字=会長、赤字=僕です)




〜1皿目〜




はいじゃあ最初は何も言わないで見てるから、作り始めてみ。



はい先生



じゅー・・・(調理中)


えええええ!?



あーぁ


わはははは!!



・・・なんですか、言いたいことがあるならハッキリ言って下さい



良いのか、ん?はっきり言って良いのか?


良いですよ、そうじゃなきゃ巧くならないし見てくれる意味無いでしょう


動作がとろい動作が。チャーハンはスピード勝負なんだよ


この鍋が重すぎるのがいけないんですよ


良いからはよ混ぜーや、ほらほら焦げ始めとるやないか!


あーもう会長が気散らすから焦げるんですよ!第1なんか火力強いんですよこのコンロ!


言えっちゅーから言ったんやんか!こんな火力本場の何分の1やで!




〜1皿目終了〜




・・・(色々な注意点)・・・って所に気を付けないとダメな訳よ。


うーむなるほど


取り敢えずこれはトライアゲインでしょ、残ってる米全部使っちゃってえぇから何度か練習してみ


ここまで来たら徹底的にやりますよ・・・腹も膨れたことだし


失敗作でな


うるさいですよ



〜2皿目〜



うーんこのタマゴの割り方、天才的だなぁ俺ってば・・・ん?会長、何ですかその格好


これが正装やもん(全身白上下+調理師帽子装着)


そうじゃなくて、何でいきなり着てるんです?



何となく着たかったから(どーん



んなことしてないで早く見て下さいよ・・・おし、鍋しっかり暖まったぞ、油投入〜。



あ。



どしたん?


今の見てないですよね?じゃあ見てないことにして下さい


何やったのよ?



いや・・・格好良くオタマで油すくおうとしたら床にビジャっと。



うわホンマや!何やってるのこの人ホントに・・・


まぁまぁ良いじゃないですか


ほらほら、こっちは良いからはよ油入れろって、鍋が冷めたら暖める意味無いやろ!


おぉっと、そうだった!



てろー・・・



こんなもんですか?


うーん、もうちょこっとだけ入れてみ


ちょいっと


おしOK!んじゃこっから先は手を休めずにタマゴ入れる!


はい先生!


ポイッ


………。



先生!タマゴを入れてもジューって言いません!



だから鍋冷ましすぎ言うたやんか!



会長が油の量見極めるの遅かったからでしょう!



あーもうえぇから鍋を返す!


よっと


お、今回はOKやな。ほら返したらずっと鍋を縦に動かしながらオタマは円を描くように!


せ・・・先生、左手が痺れて来ました・・・


はや!何で運動しててこんな早く限界来るのよ・・・


いやしかし、今回は1回目に比べて相当色といい形といい会長の奴に似てきましたよね?


そうね、1回目に比べたらね


おし、完成!これ外見相当似てますよ。早速味見するしか!



〜2皿目完成〜




パク…。


どうだ!




・・・醤油は?




・・・・あ。




はい、失敗
















・・・・・・・・・・・・・・・・。


ほれ、第3段以降もやるでしょ?今の内にこの残り全部使っちゃって、米新しく炊いておこう。


・・・・・・・・・そうですね。




〜3皿目〜




さて、タマゴタマゴ・・・(冷蔵庫開ける


・・・しっかし会長の冷蔵庫酒ばっかり入ってますねぇ


うるさい奴やな君も



うっ、何か腹がタマゴと油で満たされて気持ち悪い・・・



だから食わないでえぇよって言ったじゃん!



だって勿体無いでしょう!!



だからさ、今は料理を作ってるんじゃなくて、技術を作ってる訳よ?


・・・まぁそうですけど。


調理師学校でも平気で捨てられたりするんよ。
「今まであなた達が作ってきたものは料理では無く、ただの餌です」とか言ってね



うーわきっついですねぇ、凹むでしょうそれは


そこを美味く作れない自分に悔しがるくらいじゃなきゃダメなんよ


なるほどそりゃもっともな話ですね


ポイっ(タマゴ投下


……。





だから何でタマゴがジューって言わないんですか先生!




動作が遅すぎるってさっきから言ってるやん!!!




〜3皿目完成〜




・・・何かあからさまに今までの内で失敗って分かりやすいですねこれ


はいお疲れ



ドサー(ごみ箱に投下



あ゛ぁ〜〜〜〜〜っっ!!!!!



何よ、失敗でしょ?



・・・・そうですけど・・・・そりゃそうですけど・・・・ドサーって・・・・あぁ・・・


いい顔しとるなーlocky様




所で会長見て下さいよこれ


ん?



何か左手だけ赤黒いんですけど・・・



血管浮き出とるよね




〜4皿目〜




さぁ、米も炊けたし、今度こそ完成させますよ!


今度チャーシュー抜いて作ってみな、味の差が歴然と出るから技術確認しやすいよ


なるほど


・・・。



いや何一人でビール飲んでるんですか!?



いや、こうしてみるとホントにこの冷蔵庫酒ばっかだなーと思ってね


人が必死こいて料理作ってるってのに酒なんか飲んでないで教えて下さいよ



まぁ俺ビール嫌いやねんけどな(ドボドボドボ



何捨ててんですか!



いやだって、これ家から親が送ってきただけの奴やもん


そういう問題じゃ無いでしょう


ほれ、早く油敷けって!また鍋の温度下がるよ


おっとっと


ジューバチバチ



おああああ!何でこんな跳ねるの!あっち!あっちーって!



腰引けて料理が出来るか!とっとと油戻して弾き直せ!


おっ、今度のタマゴはジューって言うぞ!


いやその前にそれ油入れすぎやろ多分・・・


さっきは少ないって言ったから足したんでしょうが


あーもういいから早く鍋返す!一粒一粒を油で包みつつ余分な水分飛ばすんやで


はい、それはさっき聞きました。おぉ今回は作業がスムーズに進むぞ!



鍋の手が全然動いてないやん



もう限界が来てるんですよ・・・




〜4皿目完成〜



・・・何か黒いよこのチャーハン


鍋肌から入れたつもりだったんですけどねぇ・・・醤油。


ていうか米がギラギラし過ぎやろこれどう見ても!


やっぱ油多かったですかねぇ、わはは




・・・。




・・・何かすっごい疲れました・・・・。


こんなんで疲れてたら料理人になれんよ?


いやなるつもりないですから。はぁー・・・作っても食う気がしないですよ、腹がタマゴと油でまだ気持ち悪いし。


仕方ねぇなぁ、俺がお手本という物を見せてやろう


ほぉ、面白い。作って貰いましょうか。




〜MENチャーハン完成〜




ほれ、これがチャーハンという物だ


どれどれ・・・ていうか既に色が全然違うな・・・


しっかりと黄色になっとるやろ?そこの失敗作と違って


うるさいですよ(パク)


どうよ?


・・・。


無茶苦茶ムカツクけど・・・美味い。



まぁ「俺が上、お前は下だ!!」(byジョジョの奇妙な冒険)ってことやな。
わはははは!!!



あーもううざったいなこの人は・・・

〜あとがき〜

こんな感じでしたね。

もうかなり厳しい指導で、途中のヤジも心をえぐってきますけど(笑)、

この人は料理に対してホントに真面目に取り組んでるので、

肝心な所は凄く丁寧に教えてくれていたんですよ。




いやー料理って重労働ですよねぇ〜。

家庭では今でもやっぱり女性が料理している家の方がまだまだ多いと思いますが、

職業としての料理人は男性の方が多いというのは分かる気がしました。

純粋に体力が相当必要な職業なんですねぇ。



あ、ちなみにこの時から比べて現在は、

大分自分の家でもそれっぽいチャーハンが作れるようになりました(笑)

今も色々と他の料理とかちょこちょこ教わってまして、助かってるんですよ。

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